愛するお方が蛇となりました



「愛する人を前に逃げ出すだなんてあり得ないわ。蛇だろうと、あるいは蛙、あるいはネズミ、果てはゴキブリになっても、ワタクシはあなたにキスをしたくなるほど愛してみせるわっ!」


「ほんと、どうかしているぞ……!」


同じ言葉なのに何故だか意味が違うような気がしたのは気のせいかしら、気のせいね。


「とりあえず、ペットショップに行って、あなた用のゲージと餌を買ってくるわね」


「順応が早すぎる!?」


「前のあなたも美形で、女がこぞってやって来る体。毎日気を張り詰めていたけど、白蛇もまた稀少だから家の警備を厳重にしなきゃならないわね。ああっ、せめてゴキブリなら逆にみんなが逃げていくのに!」


「人を何だと思ってんの!?」


「あなたを愛するのはワタクシだけでいい」