「一体誰にやられたんだ。ここまでやられてるって事ぁ、相手は一人じゃねぇだろ?」

耕介がハンドポケットのまま言う。

ボロボロになった俊平の制服。

所々、何かの液体のような汚れがついている。

「誰かは…わかりません…」

口の中が切れていて上手く喋れないのか。

小さな声で俊平は言う。

「下校していたら、突然布袋みたいなのを頭に被せられて連れて行かれて…気がつくと工場みたいな所にいました…」

「工場?」

省吾の言葉に頷く俊平。

「そこにヤンキーとか暴走族風の人達がいっぱいいて…囲まれて逃げられない中で、延々殴られたり蹴られたり…とっかえひっかえ相手が変わる中、ずっと暴力を振るわれました…」