という訳で。

「探偵、いるか?」

夏彦は蓮杖探偵事務所のドアを開ける。

ここを借りてレポートを片付けてしまおうと考えたのだ。

図書館にでも行けば涼しくていいようなものだが、この時期には同じように溜め込んだ宿題と格闘する小学生から高校生までが訪れていて満員だ。

窮屈さを考慮すれば、案外探偵事務所の方が快適にレポートに集中できそうだった…のだが。