しかしそのフィアットも、今朝早くに朝マックを食べに行こうとした所、エンジンがウンともスンとも言わなかった。

セルモーター、バッテリー、果ては基礎の基礎であるガス欠まで疑ってみたものの、異常は無し。

いや、異常がなければ動く筈なので、異常があるにはあるのだろうが。

つまり『寿命』という事だった。

「……」

ガシガシと、頭を掻く。

きっと髪の毛にも油汚れがついただろうが、耕介は気づく筈もない。