「なら」

耕介がハンドポケットのまま言う。

「省吾が冴子を警護すりゃいいじゃねぇか。何なら冴子の彼氏の俊平も一緒に学校まで送迎してやれよ」

「い、石動君は彼氏じゃないですっ」

まくし立てる冴子。

「何…?」

省吾が怪訝な顔をする。

「運び屋が本業な訳じゃないんだろう?なら悪くねぇ仕事だと思うがな…どうせならお前、蓮杖探偵事務所の調査員になるか?大した給料は出せねぇがな」

「とか言って蓮杖さん、矢沢さんの報酬の取り分ピンハネするつもりでしょ?」

ジト目で睨む冴子。

汚い不良探偵流石汚い。