ともかく。

「こんにちはぁ」

二人は事務所の中に入る。

この間の家出少年の捜索の報酬で、家電量販店より安いエアコンを購入。

エアコンが二台になった事で、少し事務所も涼しくなった。

いつものようにこの事務所の窓際の椅子で居眠りしていると思われた耕介は。

「おお、おめぇらか。いいとこに来た」

忙しそうにスーツの上着を羽織っている所だった。

「ちょい外で人と会う約束しててな、留守番頼むわ」

「え、依頼人さんですか?」

「ま、そんなとこだ。んじゃ頼むぜ」

冴子の問いかけへの受け答えもそこそこに、耕介は事務所を走り出て行く。