久々に見た。

渚が泣き崩れるのを・・・。


渚の精神病。


ここに引っ越してきたとゆう渚。



俺らが初めて会った時から、渚はこ病気と闘っていた。


こんな細くて小さい体に、どれだけ大きな物を抱えているかなんて、

俺らじゃ想像すら出来なかった。


変われるものなら、今すぐにでも変わってやりたい。

でも、それが出来ないから。

俺ら3人は渚から離れないと、約束した。


だから、高校も一緒にした。

渚の事を近くで守れるように。


「渚。久しぶりだったなぁ。」

「まぁ、軽かったけどな。」

「確かにな。」


そんな話をしてる、要と健斗。


確かにな・・・



酷い時は、3人でもキツイ。



殴る蹴るなんて当たり前で、

一回飛び降りようとした事だってある。



その時は本気でびっくりした。


「祐來?どうしたの?」


ずっと無口な俺を、不思議に思ったのか

渚が顔を覗いてきた。


「へ?あぁ・・・いや。なにもない。」


そう?と疑ってるっぽい渚。


やべ、テンション上げんぞー



っしゃーーー!!


渚の為に、暗い顔をやめねぇとな。


「渚・・・。」


不意に渚を呼ぶ声が聞えて、
俺ら3人も同時に振り向いてしまう。



「あ、遙。・・・えっと、私何かしなかった?」

「何かって・・・?」

「うんと・・・殴ったり、蹴ったり・・・」


どんどん声が小さくなっていく渚。


「いや、何もしてない。大丈夫だ。」


そう、南が言うと渚はほっと、胸を撫で下ろした。


「夏井さん?何してるんですか?」


は・・・誰だよコイツ・・・。



「あ、名子先生。すみません。今から会議しますか?」

「はい、そうですね。会議始めちゃいましょうか。」

「分かりました、ほら皆教室に入って入って。」

「あ、あぁ・・・。」


渚に押されてぞろぞろと入って行く、生徒会の面々。


「あ、要と祐來、健斗。ごめんね、ありがとう。じゃぁね。」



渚は早口にそう言うと、
俺らの返事を待たずに、教室のドアを閉めた。


「要・・・どうする?」


俺が要に聞く。

答えは分かってるのにな。



「待つに決まってんだろ、
このまま渚を返せる訳がないだろ?」


やっぱりな、分かってるのに聞く、俺も俺か。


「だよな・・・。」

「分かってるなら聞くなよ。(笑)」

『了解しましたっ』



健斗と俺はわざとらしく、敬礼をした。

いつか、俺らは・・・一緒には居られなくなるんだ。


俺らに、一生渚を守れるか。

といったら、そんなわけない。



渚が俺らのだれかを選べば、
話は違ってくるが・・・。


まぁ、未来なんて誰にもわかんねぇよな。