「誰だよテメェ!!!」

「誰って?渡瀬大牙。覚えてないとは言われたくないな。」


大牙はそう言うと、楽しそうにケラケラと笑った。



「わたせ・・・澤田達と同類で強かったヤツ・・・。」



恐れているかのように言った。


「そうそう、ちゃんと覚えてんじゃん。」

「ふんっ、じゃあ手っ取り早い。今すぐタイマン張れ!!」

「え?マジで?(笑)負けるって分かってても挑むわけ?」


どこが、ツボだったのかは、分らないけど。

大牙はおなかを抱えて笑っていた。


「ちっ・・・やれっ!!!!」


その合図とともに、6人が大牙に向かって行く。

大牙はまだ笑ってる。



「大牙!!!あぶない!!!」



気付けば私はそう叫んでいた。

そして、バキッとか、ドサッとか聞えてきて、怖くて私は目を瞑った。


「クッソ・・・テメェ。」


いきなり頭の上から声がした。

私の手を掴んでたやつが発した声だった。


私は、怖々と目を開けた。



そこには..._______


無傷の大牙と倒れてる6人が居た。



ウソ・・・大牙強い・・・。


「次は、お前だよ?(笑)」


大牙はそう言って口角を上げた。

その笑みが怖かった。



「わ、悪かった・・・だから、許してくれ。」


そう言って私の手を離した。


「そんなんで、許されるとでも?」


そう言い終わると、その男の人を一発殴った。

その、一発だけでその人は伸びてしまった・・・。



「渚さん、大丈夫ですか?怪我とか・・・」


そう言って、心配そうに近寄ってくる大牙に安心したのか、

私は、泣き出してしまった。


「え・・・渚さん?どっか怪我した??」


と、戸惑ってる大牙が面白くて、

泣き笑いみたいになる私。



「渚さん?泣いてんの?笑ってんの?どっちッスか?」



と、本当に困ったみたいな顔するから。

私は涙を拭いて、笑って見せた。


そして、大牙と声を上げて笑ってしまった。