な、何・・・今ちょっとイライラしてんだけど・・・


しかも、私の名前知ってるとか・・・

キモい・・・。



「何?」


私はそっけなく答える。


「いやぁ・・・ね。渚ちゃんさよく澤田達と居るでしょ?」



澤田・・・?


あぁ、要か。



「だから、ちょーっと人質になってもらおっかなぁってさ。」


なにそれ・・・



「なんで、そこで私が出てくるの?普通に喧嘩売ればいいじゃんっ!!!」


「いやぁ、あいつらさぁ一回勝った相手には、
興味が無くなっちゃうからさ、
相手にしてくれないんだよねぇ。」



そりゃ、そうでしょぅよ。


自分より弱いって分かってるのに、なんで相手しなくちゃいけないのよ。


バカ、なのかな?



「それにさ、あいつら渚ちゃんの事大切にしてるみたいだし?」



大切・・・


『お前の事は、俺らがちゃんと守ってやる。だから、心配すんな。』

『そうだそうだ、大切な仲間なんだからな!!!』

『心配せずに、俺らの事信じろ。』


とか、思い出してたら・・・

腕を掴まれて連れて行かれそうになる。


「ヤ・・・ヤダッ!ヤダよ・・・ヤダ、離して!!!!」



ブンブン手を上下に振るけど、全く離れない手。

あぁもぉ!!!!どうしたらいいのっ?!!??



「あんたら、なにしてんの?」



暗闇から聞えた声。

あんまり、聞きなれない声でちょっと戸惑う。



「んだよ、誰だ?テメェ面見せろっ!!!!」



荒々しく声を上げる変なヤンキー達。



暗闇から出てきたのは・・・



「大牙!?なんでここに・・・」


正門を出ると、大牙は反対方向に向かったのに・・・。



「渚さん、しっかりしてる人かと思ってた。(笑)」



ウソッ、喋ってる・・・し、

笑ってる!?


ほ、本当に大牙??幻覚なんじゃ・・・。


と、そんなことを思ってしまった。