お嬢様と執事様【短編】

――放課後





恵斗が迎えに来た。




「詩さぁ、先に帰っちゃうこともできるのに、執事さんを待ってるのが偉いよね。」




さきは意味ありげな笑みで、あたしに耳打ちした。




「いや、それは…」




勝手に帰ったら後で何されるかわかんないし…




でも確かに、待ってたい気持ちもあったかも…?




「んじゃ、バイバイ!頑張れよっ!」




「えっ、あ、ちょっ!」




さき、ニヤニヤしすぎて可愛い顔がかなり崩れてるよ…。




「はぁ…」




なんだかんだで、学校は楽しい。