「それをしないために、私たちは頑張ってるのよ」 強い意思の宿った眼が、僕を真っ直ぐに見つめる。 一人の科学者として僕の前に立つユリヤさんは美しい。 僕は彼女の科学者としての姿を好きになった。 好きになったはずだった。 けれど、この科学者たちが僕の可愛い小犬たちを殺すのかもしれない。 そう思うと、素直に頑張ってくださいとは言えなかった。