一斉に響が入ってきた瞬間



クラスがざわめいた。



「沙羅、来たよ。」


「うん・・・。」



でもなんて声かけていいかわからない。



パッと一瞬だけ目が合った。



でもすぐにその目は離れていった。



あたしから離したのではない。



響があたしから離したのだ。



「響・・・。」



今まで響がそんな態度を見せた事はなかった。



不安があたしを襲う。



なんでなんで?



やっぱり美浜サンと付き合ってるの?



昨日のこと、図星だったの?



考えるのはマイナスなことばかり。



プラスなことは1つも浮かばない。



あたしはマイナスの渦に呑まれていった。