あまりにじっと見つめてくるので、こっちも逸らそうにも逸らせなくなり、お互い見つめ合いが続く。 な……なんて、顔立ちの整った人…! 真正面から見つめられると、それは確信に変わり、同時に鼓動が早まる。 すると。 突然、青年は何事もなかったかのように、自分の読んでいた本を閉じると、席を立ち、その場から去って行った。 残されたあたしは、しばらくそのまま動けずにいた。 ……そんな、高校2年の夏の終わり。