まるで、最初からその色だったかのように綺麗に染まった、さらさらの金髪。


青年は手元の本に顔を向けているため、しっかりとは見えないけど、毛穴レスで透き通るような肌と長すぎるほどの睫毛、鼻筋の通った顔立ちに、あたしはすっかり目を奪われてしまった。




一言で言うならば、そう。





綺麗な人……。





その言葉がぴったりだった。




…大人っぽい雰囲気に、私服姿。




大学生なのかな。


うちの高校は、大学までエスカレーター式で、校舎が隣り合わせにあるので、施設が共同で使われていることが多い。


この図書館もそのうちの一つなので、あたしのような高校生もいれば、目の前に知らない大学生がいたって不思議じゃない。