―――「……大村さんっ。」
強めに名前を呼ばれて、はっと顔を上げると、上原くんが不思議そうな顔であたしを見ている。
…あ…完全に寝てしまっていた。
待っている間、あたしも読書でもしようかと思いついて、手にとった本は、6ページ目で開いたままになっている。
本を読んでると、なんだか眠くなっちゃうんだよね…。
「えと…ごめん。あたし寝ちゃってたみたい。上原くん、もう帰るの?」
「うん。3冊くらい読み終わったから。」
え、3冊も!?あたし、そんなに寝ちゃってたの!?
慌てて、携帯で時間を確認すると、倉庫に入ってから3時間程が経過している。
結構、寝ていたみたいだけど……。
でも上原くんは、3時間であの分厚い本を3冊も読んでしまうなんて、すごい集中力…。
「それより。もしかして大村さん、俺のこと待っててくれた?」
「え、うん。」
あたしが頷くと、上原くんは目を大きくする。
それから笑顔で、あたしの両肩をがしっと掴んだ。
「大村さんって……優しいね!」


