「…へ?」


あんなにも、優しかった蓮斗。


王子様として頑張っていた蓮斗が。


すごく冷たい。


押されてしりもちをついたわたしを冷たい視線で見下ろしている。


わたしなにかしたの?


ねぇ、教えてよ。


「はやく立てよ」


「えっ、あ」


「生まれたての子鹿じゃねぇんだから立てんだろ?」


そう言ってそのまま奥へと進んでいく。