ラブ♡スリップ




泣き止むまでずっと抱きしめてくれていた。


何もしらない赤の他人。


ただ、飛ばされてしまった異国の中で
王子様と白雪姫として出会っただけのことなのに。


こんなにも、


こんなにも、


安心できているのはきっと、この人の力。


「少し、落ち着いたか?」


「うん」


せっかく、メイクとかしてくれたのに。


きっと、ボロボロだろうな。


「あんたの名前、なんていうの?」


「高山 りんご」


「りんごか。白雪姫にぴったりだな」


ケラケラと笑う。


たしかに、白雪姫はりんごを食べて倒れちゃう。


「え、あのシーンもあるの?」


「さぁな」