「まぁ、仲睦まじいこと!」
急にバルコニーに入ってきたのは知らないおばさん。
ふふふふ、と大きな体を揺らしながら笑っている。
「僕たちになにか用ですか?」
「ご挨拶に来ただけよ?」
「そうですか」
「それにしても!
隣国にこんなにかっこいい王子様がいるなんてねぇ?」
「いえ…」
この人は、こっちの国の方なんだ。
ここに来てるってことは
どこかの貴婦人なんだろうな。
「あら、白雪姫。今日はお静かなのね?」
「少し疲れてしまって…」
「それは大変ね!お部屋に行って休まれてはどうですの?」
「いえ、王子様といます」
すんごい恥ずかしいけど!
わたしはそっと蓮斗によりそう。
それに応じて肩を抱いてくれる蓮斗。
「もう少ししたら戻ります」
「いえ、2人で仲良くやってちょうだい?」
おほほほほ、とまた中に入っていった。


