きっと、蓮斗から見たら変な女。
頭が狂ったおかしい女。
だけど、それが事実なの。
わたしは自分の記憶を分けるようにそっとキスをした。
「……なに…やってっ」
「ごめんなさい…、蓮斗」
「…やめろよ、そういうの…」
「ねえ、蓮斗。
2年前のこと覚えてる?」
「もう、いいって」
「歩道橋の上でね」
「いいって言ってるだろ!」
「わたしたちはぶつかって白雪姫の世界に行った」
まっすぐに、見つめると蓮斗は驚いたようにわたしを見た。
「今…なんつった?」
「だから、歩道橋の上でぶつかって白雪姫の世界に行ったの」
「……嘘だろ…」


