「は?何言ってんだよ」 「わたしと蓮斗くんは、 あの日出逢ったのが初めてじゃないの!」 「…それって、俺が忘れてるってこと?」 「そうだよ。 あなたはわたしをりんごって呼んでた。 わたしはあなたを蓮斗って呼んでた」 蓮斗はありえないって顔をしてわたしを見る。 「夢なんじゃないか?」 「なんで、なんでそう思うの?」 「そこまで親しくなってたら覚えてるだろ」 「そう、覚えてる筈なの。 頭の中のどこかにあるはずなの。 ねえ、蓮斗…思い出してよ、お願い…っ」