「おい…そんなとこで何立ち止まってんだよ」 大学の門から出てきたのは蓮斗。 ああ、 いつの間にかここに来てたんだ。 「大丈夫か?」 「ねえ、蓮斗くん」 「ん?」 「…わたし……」 「なんだよ」 言っていいの? 苦しめないかな? 蓮斗、ごめん。 わたしは、向こうの世界のためにも、 わたしのためにも 言わせてもらうね。 「わたしたち、初めてあったんじゃないって知ってる?」