「その、行動力をあっちで発揮できないわけ?!」


「あ、いや…その…」


「きちんと思い出させてくれないとあたしも教えないから」


そう言ってわたしの顔に手をかぶせる。


ゆっくりと目を閉ざされる。


あぁ。


わたしを元気づけるためにそうしたんだね。


わたしが、弱気になってたから。


わたしらしくなってなかったから。


「いってらっしゃい、りんご」


また暗い闇に入った。