「あたしはその人を見ることから逃げてるの」 よく、わからない。 どういうことなの? 「蓮斗には、好きな人がいる。 だけどそれが本人にはわからないの」 好きな人…。 大学関係の人とかかな? 「そして、相手も気づいてない」 「そんなの…」 「当たり前なの。 だってあたしが近づけてないんだもん」 飲み物をストローから飲むと、 わたしをすっと見て笑った。 「怖くなったらいつでもいなくなっていいんだからね」