「あたしの名前は零(れい)」


「零さん」


「普通に零って呼んでよ。
さんとかつけられんの好きじゃないんだ」


「あ、はい」


「口閉じて」


リップを塗ると、ゆっくりと鏡の方を向かせてくれた。


「えっ、すごい…」


わたしじゃないみたい。


なんか、かわいい女の子になれてる気がする!


髪の毛もいい感じのウェーブ。


目なんてまつげがくりんとしてる。


「ちょっとは、白雪に近づけたよ」


「白雪さんに会いたいな…」


わたしなんて、程遠いんだろうな。


「いつか、帰ってくるよ」