ゆっくり目を開けると、 心配そうに覗いている惠。 「大丈夫…?」 「惠…」 「今日は、少し休んだら?」 「うん…」 ちらりと、蓮斗を見ると、 すごく心配そうにわたしを見ていた。 そうか。 蓮斗はわたしと同じで記憶がない。 あの時のいろいろなことを、覚えてない。 じっと見ていると、惠がその前に立った。 「ほんとに大丈夫? 家まで送るよ?ね、りんごってば」 「わたし…大丈夫だよ」