薄暗くなった視界に現れたのは、 綺麗な女の人が2人。 「おい、りんご! あんた、なに記憶喪失になってんのよ」 1人の女の人が腕を組みながら言っている。 となりのショートカットの女の子が優しくわたしを見た。 「記憶喪失なの? 嫌でも思い出させてあげるわ」 ふわっとわたしの前で手を横に払った。 すると、 無くなっていた記憶の欠片が滝みたいに流れてくる。 ドボドボとやってくる。 その速さに吐き気までする。