「あれ」 男の人はわたしを見て立ち止まる。 「あんたって」 「…」 「なに、知り合いなの?」 惠がわたしに聞く。 「りんご?」 心配そうにわたしを覗き見る。 「りんご…?」 そう、男の人が言った途端、 わたしはものすごい頭痛が襲った。