「りんご…」


蓮斗はぽんぽんと、わたしの頭を撫でる。


「もう少しで門が開くわ…」


白雪姫はわたしのことは見ずに、
目の前に現れた門を見る。


「りんごさん、私もあなたのこと大好き。
ありがとう、本当に」


振り返って微笑んだ白雪姫。


それはとてもとても美しくて。


王子様はそれをそっと抱きしめた。


「もう、扉が開く。
本当にありがとう、蓮斗、りんごさん」


ギィィィという音と共にゆっくりと開く扉。


眩い光が隙間から溢れ出てくる。


「ありがとう!ありがとう!」


「大好きよ!りん…っ」


光がわたしたちを包んで扉の奥へ連れていく。


ゆっくりと閉まると、


手のぬくもりは消えていた。