それから、どれほど沈黙の時間があっただろうか。


「久しぶり」


「…久しぶり」


「座れば?」


「うん」


蓮斗は距離を置いてソファに座る。


「ここまで、よく来たな」


「白雪姫の馬にのせてもらったの」


「そっか…」


「…聞いた?話」


「地球へ帰る話か」


「うん」


「聞いたよ」


「蓮斗はどうするの?」


「俺は帰るよ。
ここの生活は楽しいけど俺は地球がいい」


そうだよね。


ただのわがままじゃダメなんだよね。


いたいからいる。


それじゃきっと身が持たない。


「りんごは?」


「…帰るよ」


うん、帰るんだ。