「もう、慣れてきたみたいですね」


「うん、なんとか」


おじさんと勉強をしていると、ふとそんなことを言われた。


「ねぇ、おじさん?」


「はい、なんでしょうか」


「わたしはいつか、帰らないと…」


「ずっと、ここにいてもいいのですよ?」


「白雪姫が帰ってきたらわたしの存在はありませんよ」


そう、わたしは。


偽物の白雪姫なんだから。


「そんなこと言わず、ここにいてくださっていいのですよ」


「いいんです」


ここにいちゃいけないんだから。