こんなに憂鬱なんて。 ここはファンタジーの世界なのに。 わたしはベッドから出て窓を開ける。 気持ちのいい風。 「午後、王子様がお見えになるそうですのでメイクアップの方を」 この人達は、かなり急いでいるみたい。 そっか。 まぁ、そうだよね? 「はい、わかりました」 まるで、わたしは人形みたい。 高山 りんごなのに、白雪姫。 みんなのためにあちこちに振り回されてる。 「さぁ、こちらへ」 そう言ってわたしを部屋から出した。