「あの子は来てくれたの、こっちへ」 「そうだね」 「わたしたちを救ってくれたんだもの。 次はわたしたちがあの子たちへ幸せをあげないとね」 「幸せ…?」 「お互いに、すれ違っちゃってるのよ」 その意味が王子にはわからない。 「ほら、それだから男の子はダメなのよ!」 「え、わかんないから」 「不器用なのよ、あそこは」 白雪はかすかに見える城を見る。 「元いたところへ戻って幸せになって欲しいの」