「まぁ、お前ならりんごを、しあわせにできそうだな!」


「はぁ?偉そうに」


「お前、りんごなかしただろ!」


「いや、その、それは…」


「その分しあわせにしなきゃだめだぞ!
これはおれのお父様が言ってた!」


「風牙…」


「おれ、部屋に戻る!」


階段をかけ降りていく風牙くん。


「あ、風牙くん、待って!」


「行かせないよ、りんご」


後ろからぎゅっと抱きしめられる。


「だけど…」


「いいから」


何がいいのかわからないよ…。


だけど、わたしは抵抗する気にはなれずその場に座り込んだ。