「あんたら幸せオーラ出してるんじゃないわよ!」 塔の中に魔女の怒鳴り声が響き渡る。 わたしの涙もぴたっと止まった。 「いつもいつもいつもいつも! わたしは2番目だったの。 幸せも2番目。なにもかも2番目! もう、こんなのは嫌なのよ!」 「愛する妻よ」 階段の下から、優しい声がする。 王様……? ゆっくりと階段を上がってきてわたしたちの横を通る。 魔女はありえない、と言いたげな表情。