わたしは風牙くんを抱きしめる。 「あんたなんなんだい」 「俺はりんごの王子様だ!」 「ふーん?」 「だから、りんごを助けに来たんだ!」 「いい男になりそうだね?」 ぐっと、風牙くんに近づく。 やめて! 近づかないで! わたしは風牙くんを抱きしめた。 するとその上からふわっと誰かがわたしを抱きしめる。 このにおい…知ってる。