「どうしてあんなことするの…」 「…知ってるのか」 「ごめん、聞いちゃったんだよ」 零はバツが悪そうにうつむく。 「俺は魔女を殺せばいいのかな」 「王子…」 「俺は、王子様じゃない。 だからどうしたらいいのかが分かんないんだ」 「…っ」 「俺もりんごも不完全だから勝手な行動は出来ないんだよ、わかるか…?」 今にも泣きそうな顔。 全然、余裕のある男なんかじゃないじゃん。 そう、零は蓮斗の顔を見て思う。 ただの、男の子じゃない。