ゆっくりと目を開けると、
そこには辛そうに顔を歪めた零がいた。


「れ…い」


「りんごっ!」


わたしを見るなり、ぎゅっと抱きしめた。


「ごめん…」


「なんで…?」


「助けてあげられなかった…。
りんごも…王子様も……」


零はなにも悪くないのに。


わたしは、また迷惑をかけてるの?


「泣かないで…」


「泣いてないよ、りんご」