「王子が来てしまう!」


「お、王子?」


「あぁ。
君がなにを知っているのかは知らないが、
うちの白雪はちょっと個性的でな」


「個性的…ですか?」


「あぁ。
もうなんていうか、旅に出るのが大好きなんだよ。明日王子が来るというのに帰ってこないし」


「そうなんですか…」


「白雪の影武者をやってくれないか?」


はい?


か、か、影武者?!


「な、なにを!」


「この国のためなのだよ!
相手の国との友好は捨てられないからな」