桃香に続き、常連客のじいさんも帰って、
『ミラージュ』には、マスターとトモアキと俺の3人だけになった。
マスターは、カウンターの向こうでイスに座り、新聞を広げている。
隣のトモアキに、さっき思ったことを聞いてみた。
「なぁ、トモアキ」
「ん?」
「おまえはさ、もし大金が手に入ったら、何に使いたいと思ってたんだ?」
聞くと、トモアキは、ウーンと首をかしげ、かすかに微笑んだ。
「考えてなかった」
「は?」
「だって、まさか本当に見つかると思ってなかったから」
「おいおい!」
「へへへ……」
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