8月の宝探し


桃香に続き、常連客のじいさんも帰って、

『ミラージュ』には、マスターとトモアキと俺の3人だけになった。


マスターは、カウンターの向こうでイスに座り、新聞を広げている。


隣のトモアキに、さっき思ったことを聞いてみた。


「なぁ、トモアキ」

「ん?」

「おまえはさ、もし大金が手に入ったら、何に使いたいと思ってたんだ?」


聞くと、トモアキは、ウーンと首をかしげ、かすかに微笑んだ。


「考えてなかった」

「は?」

「だって、まさか本当に見つかると思ってなかったから」

「おいおい!」

「へへへ……」