今、校舎内にいるのは俺らだけだ。
けど、窓にカーテンがかかってないから、フェンスの向こうの道路からは、丸見えだ。
それに、工事関係者がやってこないとも限らない。
「うーん、ここじゃ、不用心か。
じゃぁ、『ミラージュ』の2階に行くか?」
すると、会長が口をはさんできた。
「そこは安全なのか?
下に、マスターも客もいるだろ?」
「いやー、平気だろ。
客は2階になんて上がってこないし」
「マスターは?」
「マスターは大丈夫だよ。
しばらく貸し切りにさせてくれって言えば、ほっといてくれるし」
子どもの頃からマスターを知ってる俺としては、なんの問題もないと思ったんだけど、
会長は違うらしい。

