ー隼人sideー まさか、こんなところで恩人に会えるなんて。 絶対に礼を言わないと、後々後悔する。 俺はそう思っていた。 目の前の大宮蓮は、俺の記憶からさほど変わっていなかった。 アッシュの長めの髪。 少し気の強そうだが整った顔。 俺みたいな地味でもなく、城内みたいな田舎ヤンキーでもないその服装。 まるで洗練された都会の若者だった。 そして、きっと彼はモテるのだろう。 だが、彼は目を見開いて俺を凝視する。