胸が苦しい。 何で…… 何でそんなこと言うの? あたしは不十分で、いつも隼人を惑わせたり苦しめたりトラブルに巻き込んだりで。 決して褒められるような彼女じゃないのに。 目頭が熱くなって、涙を必死に堪えた。 「でも!一夜くらいあたしとどう?」 悪あがきに言う女性に、 「すみません。 本当に俺、彼女が大好きなので」 そう言って一礼し、二人の前を離れる隼人。 胸が熱くて苦しくて。 流れてしまった一筋の涙を、バレないように拭き取った。