扉の前で入るのを躊躇っていた。 何だかバイト中の隼人に会うのが恥ずかしくて、緊張して。 ……なのに、 「いっくぞー!」 楓はそう言って、元気よく扉を開けていた。 カランカラン…… 鈴の音が鳴った。 暗めの照明に、落ち着いた店内。 前に淳ちゃんたちが騒いでいたソファー席には、煌びやかな身なりの女性がいて。 カクテルを手に談笑している。 カウンターにはさっきの二人の女性がいて…… ズキン…… 胸が痛んだ。