「橘、相変わらず酷いな」 淳ちゃんがははっと笑う。 すると、 「酷いのはお前だろ」 隼人が静かにそう言った。 「俺が酷い? サービス精神旺盛じゃねぇか!」 反論する淳ちゃんに、 「それが美優を苦しめてるんだよ」 隼人はそう告げた。 あたしは思わず隼人を見上げた。 その顔は、何だか少しスッとしているようだった。 まるで、敵討ちでもしたかのように。 隼人、あたしが嫌がってるの分かってたんだ。 だからわざと……