もとから気付いていた。 俺の中から、「神木」は消えないということに。 悪夢を見たり、酔って暴れたり、酷くイラついたり。 普段は完全に消えている奴が、時々顔を出すことはあった。 だけど、それが俺自身を苦しめ、美優を傷つけるから。 だから、「神木」に気付かないふりをしてきた。 俺は生まれ変わったと思ったのに、実際は変わっていないのかもしれない。 今の俺も俺自身だけど、神木も俺自身。 神木があってこその橘だから。