そんな中……
「あやのこと、お願いしてるから。
……俺、行かなきゃ」
隼人が小声で告げる。
「え……」
固まるあたしをよそに、隼人は一歩踏み出す。
そして、被っていた帽子を取った。
焦げ茶の髪が太陽の光で金色に輝いた。
周りの人が、わっと声を上げる。
「お前ら、好き放題言いやがって。
ゆっくり話を聞いてやる」
「か……神木先輩!?」
その声は震えている。
そして、その声を聞いて、さらに周りが悲鳴を上げた。
その名は、いまだに恐怖としてこの街に残っている。
その顔も、破滅を導くと恐れられている。
「う……うそ?あの神木?」
「やばっ、早く逃げよう!」
そんな声に追われ、青ざめる三人組と消えていく隼人の背中を見ていた。
何だか心が痛くなった。
「あいつも大変だな」
淳ちゃんが小さく呟いた。



