見慣れた部屋。 見慣れた勉強机。 だけどそこに置かれているのは教科書ではなくて。 古びた時計、ハンガー、着なくなった服が無造作に置かれていた。 ここはあたしの実家。 久しぶりに帰ってきたのだ。 というのも、 「週末から実家に帰るね」 急に隼人が言い出したのだ。 おそらく何か用事があったのだろう。 隼人がいない東京も暇だし、それに便乗することにしたのだ。