何も言えず黙って二人を見ていると、 「橘!美優がまた怯えてるぞ」 淳ちゃんがお決まりの言葉を吐く。 すると、 「美優……ごめん」 隼人の怒りはすっかり静まった。 あたしは別に怯えているわけでもない。 だけど、どっちかというと、優しい隼人が好きだ。 だから敢えて否定することもなく、優しい隼人を待っている。