「悪かった」




白浜先輩はそう謝った。




「俺こそ……すみませんでした」




反射的に謝り、頭を下げる。




だけど、良かった。

本当に良かった。

白浜先輩が無事で。





「やっぱ分んねぇや」




白浜先輩はそう呟く。




「お前って、マジでいい奴なんだろうな」



「え……」



「まるで……天使だ」



「せ……先輩!?

何言っているんですか?」





思わぬ白浜先輩の言葉に驚く俺。

あのイカつい白浜先輩が、天使だとか言い出すなんて。

白浜先輩も、案外メルヘンチックなところがあるのかな。