ラブ＆コメ

「佐藤さん。私…ちょっと危険な事に巻き込まれそうになってるんですよ…。」

冷たい水の入ったグラスを片手に、私は真剣な顔で話した。

「危険な事？闇組織とか？…てか、私からしたら、アンタの方が危険だよ。」


ひやかすように、佐藤さんはまたククっと笑みを浮かべて、マジメに聞いてくれない、、、


「…ちゃんと聞いて下さいよ～。あのですね～…」


そう佐藤さんに言ったのと同時に、店のドアが勢いよく開き、１人の男がスタスタと入ってきた。


「あら、そんな事よりさぁ～ちょっとあの男見てみなさいよ。イケメンじゃない？」


また、私の話をスルーした佐藤さん。
私達の席からちょうど見えるドア辺りを、アゴでヒョイヒョイと差す。


私は内心、もう２度と佐藤さんには相談しまいと思い、佐藤さんのアゴが差す私の背中越しのドア付近に振り向いた。


しかし、振り向いた瞬間、驚きのあまり首を元の位置に戻し、佐藤さんの方に向き直す。